あなたは不安に襲われて押しつぶされそうになったことがありますか?
一刻も早く不安を取り除きたいのに考えれば考えるほど不安は大きくなるものです。
そんな時、どうしたら不安は解消されるのでしょうか?
そもそも不安の正体とは一体何なんでしょう?
不安の正体さえ分かれば対処法もおのずと分かってきます。
今回は不安の正体とその対処法についてお伝えしていきます!
不安の正体とは
不安の正体とはズバリ!
<まだ見ぬ未来への妄想>です!
デンマークの哲学者キルケゴールは「不安の対象は無である」と言っており、
また、ブッダは「頭の中の想像事は全て妄想である」と言っています。
詳しく解説していきますね。
心配や恐怖との違い
不安と似たような意味合いを持つ言葉に心配や恐怖がありますが、不安と心配や恐怖には2つの違いがあります。
1.時間軸があるかどうか
心配や恐怖は「今そこにある」「目の前に迫っていることが確定している」事柄に対して湧く感情です。
対して、不安とは「未来」に対してのみ湧く感情なのです。
例えば、離れて暮らす一人暮らしの親や、いつもより帰宅時間の遅い子供に対して思いをはせる感情が心配。
散歩中に目の前にスズメバチの巣を見つけたり、スズメバチの大群がこっちに向かって飛んでくるのを見つけたりした時に感じるのは恐怖です。
不安とは、「明日のプレゼンが失敗したらどうしょう?」「老後の生活は大丈夫だろうか?」などと考えて陥るネガティブな感情です。
過去の出来事に対して不安を抱くことはありませんし、今起きている事柄に対して不安を抱くこともありません。
たとえ数分先、数秒先の話であっても、不安は常に未来に対して湧く感情なのです。
吊り橋を渡っていて、揺れると怖いのは「今」、落ちたらどうしょう?と不安になるのは「未来」ということです。
2.対象の有無
不安や恐怖を感じるときには、はっきりとした対象がありますが、不安を感じるときには「意味もなく」や「漠然と」というように対象がはっきりとしていません。
また、頭の中で想像した事柄も実際に起きていないことなので、明確な対象とは言えません。
先ほどの吊り橋の例だと「揺れる」という対象に対して「落ちたらどうしょう?」という想像は対象にはなりません。
要するに、不安の対象は「無」であるということです。
また、ブッダは頭の中の想像事はー過去の出来事や未来を想像することもー全て妄想と言っていますが、不安もまた妄想だと言っています。
これらを要約すると、不安とは<まだ見ぬ未来への妄想>ということになります。
【まだ起きてない事柄=未来】に対して頭の中で【ネガティブな想像=妄想】をして陥るのが「不安」ということですね。
なぜ人は不安に陥るのか
では、なぜ人は不安に陥ってしまうのでしょうか?
答えは<今を生きてない>からです。
そもそも「未来」という概念を持っているのは人間だけです。
この、未来という概念が実はとても厄介なのです。
動物を飼っている人なら分かるかもしれませんが、彼らは「今」しか生きていません。
例え片足がなくなろうが、悲観することなく「今を生きる」ことだけを考えています。
と言うより、彼らには未来という概念がありません。
「犬のお産は安産」とよく聞きますよね?
犬種によりますが、一度のお産で何頭もの赤ちゃんを産む犬は、決して出産が楽なわけではなく、産む前に「痛いかな?」「ちゃんと産まれるかな?」などの想像はしておらず、一頭目を産んだ後も、次にくる陣痛に対して不安を抱いていないのです。
ケロッとした顔で何頭も産むので安産と思われがちですが、その時その時のお産にただ集中しているだけなのです。
本来、人も「今」にしか生きていません。
過去を悔やんでばかりいたり、未来に思いをはせてばかりいると、肝心な「今」を蔑ろにしてしまいます。
過去の延長が今であり、今の延長が未来です。
未来を良くしたいのでれば、今を一生懸命生きるしかないのです。
一生懸命といっても、何か特別なことをしなければいけないというわけではなく、ただ今を大切に、今できることに集中して生きるということです。
ポジティブな未来を想像しているとき。
例えば週末にデートの約束があるという時には、「何処へいこうか?」「何を着ていこうか?」など、今できることを考えて行動しているはずです。
ですが、ネガティブな未来を想像しているときは、行動が止まってしまっていませんか?
行動することによって不安は解消されますし、行動することは今に集中することにもなります。
給料が上がらないから将来が不安というのであれば、副業を始めてみるとか、いっそ転職するとか何らかの方法があるはずです。
実際に副業や転職をするかどうかは別として、どんな副業があるか調べたり転職サイトを見てみるというのも行動のひとつです。
どう行動していいか分からない場合は、不安を紙に書き出すということもおすすめです。
頭の中のごちゃごちゃを外に出すという効果もありますし、紙に書くことも行動のひとつです。
また、紙に書き出すことによって客観視できるようにもなります。
客観視できると、今できることも見えてきますよね!
そうやって今できることを考えて行動していると、不思議とネガティブな想像はしなくなっていくものなのです。
まだ起きていない未来に対して不安ばかりを募らせるのではなく、今を大切にすることを心がけましょう。
大切に生きた今の延長はきっと明るい未来になるはずです。
【不安で押しつぶされそうな時の対処法5選】
不安という感情が現れた時には、まずは「これは私の勝手な妄想だ」ということを理解しましょう。そして、不安への対処は行動することが一番!ということを思い出してください。
そうは言ってもネガティブな感情に侵されている時は、なかなか行動できないのも事実です。
不安が大きくなって押しつぶされそうな時は、まずは心身を整えることを心がけましょう。
ここからは、不安で押しつぶされそうな時の対処法をお伝えしていきます!
1.運動
運動と言っても激しい運動をする必要はありません。
ヨガやストレッチ、ラジオ体操などもいいでしょう。
不安が大きくなっている時は、自律神経に不調をきたしたり、場合によってはうつ症状などが現れることもあります。
運動療法は自律神経失調症の改善にも取り入れられていますし、「スマホ脳」の著者アンデュ・ハンセンも、うつや不眠には体を動かすことが有効だと言っています。
特に「スマホ脳」ではジョギングを勧めていますが、いきなり走るのはハードルが高いと感じる人もいるでしょう。
そこでおすすめなのがウォーキングです。
ただ歩くだけでも効果はありますが、最近メディアなどでもよく取り上げられている「インターバル速歩」が特におすすめ!
ゆっくり歩くのと、早歩きを数分ごとに繰り返しながら歩きます。
「ゆっくり」と「速く」を繰り返すことによって歩くことに集中できるので、余計な妄想をしなくなります。
出来れば30分以上、冬場でも薄っすらと汗をかく程度まで歩けるとベストです。
2.食事
生きるうえで欠かせないのが食事です。
ちゃんと食べているつもりでも、忙しい現代社会ではきちんと栄養が取れていないことも。
特に女性は鉄分や亜鉛、ミネラルなどが不足すると如実に体調に現れます。
普段からバランスの取れた食事を心がけましょう。
ただ、不安に押しつぶされそうなほど心が弱っている時は栄養バランスなんて考えていられませんよね。
そんな時は”チートデイ”のつもりで、好きなものを食べましょう!
チートデイとは、ダイエット停滞期に「好きなものを食べていい日」を作る食事方法ですが、今は心の停滞期。
美味しいものを食べて心も元気になりましょう!
くれぐれも食べ過ぎには注意してくださいね!
3.呼吸(瞑想)
意外と皆さんが蔑ろにしているな、と感じるのが呼吸です。
不安な時というのは、多くの場合ストレス過多にもなっています。
ストレスを感じている時は体が硬くなっているので、必然的に呼吸が浅くなります。
呼吸が浅くなると脳の働きが悪くなるだけでなく、自律神経にも支障をきたすので体のあらゆる臓器にも不調が出やすくなります。
呼吸を見直すことで体の不調はもちろん、不安も軽減されたという報告もあるほど呼吸法は注目されています。
呼吸法で真っ先に思い浮かぶのは瞑想ではないでしょうか?
楽な姿勢で座り、呼吸に意識を向け心と体を落ち着かせていくもので、スポーツ選手や芸能人なども取り入れていますよね。
上手く出来る人はいいのですが、「よそ事を考えてしまって上手くできない」「気づいたら寝てた」などの声も多く聞かれます。
上手く出来ない人は、瞑想にこだわらずただ深い呼吸を意識してみましょう。
呼吸には胸式や腹式がありますが、あまりこだわる必要はありません。
自分の気持ちよさを優先してください。
ゆっくりと深くたくさんの息を吸い、ゆっくりと大きく息を吐いていく。
吸う時に体が膨らみ、吐く時に体が縮むイメージです。吸う時に肩が上がらないように注意しましょう。
深く息を吸えない人は呼吸が浅くなってる証拠。
まずは「もう無理!」というところまで息を吐ききってから息を吸ってみましょう!
どうしても深い呼吸が出来ないという人は、お気に入りのアロマオイルを焚くのもおすすめです。
いい匂いを嗅ぐ時は必然的に深く息を吸いますので、アロマオイルの香りをゆっくり楽しむように呼吸をしてみてください。
4.睡眠
これも食事と同様に人間の三大欲求のひとつであり、生きるうえで欠かせないものです。
忙しい現代社会ではゆっくりと睡眠を取るのはなかなか難しいかもしれません。
特に日本人は世界で最も睡眠時間の短い人種であると言われています。
睡眠時間をたくさん取るのが難しい場合は、睡眠の質を上げるよう見直しましょう。
寝る前にテレビやスマホ、パソコンなどを見ていませんか?
特にブルーライトが睡眠に及ぼす影響はよく知られていますよね。
寝る直前の飲食も避けた方がいいでしょう。
寝室や寝具を整えることも重要ですが、意外と知られていないのが寝間着です。
パジャマに着替えるという行為は「寝るための準備」と脳が認識するため、習慣づけることで入眠を促す効果があると言われています。
部屋着のまま寝てしまうという人は、寝る前にパジャマに着替えることをおすすめします。
また、睡眠は究極の瞑想でもあります!
上手く瞑想が出来ない人は睡眠の質を上げる工夫をしましょう。
5.入浴
睡眠の質を上げるために欠かせないのが入浴です。
ぬるめのお湯に15分〜20分、肩まで浸かるのが理想で、就寝の1時間半位前に入浴するのがベストと言われています。
眠る時というのは深部体温を下げて脳を休ませます。
入浴することによって一時的に体温を上げ、その後体温が下がることでスムーズな睡眠へ導くというわけですね。
暑い時期や疲れている時などは、ゆっくり湯舟に浸かるのが面倒な時もあります。
そんな時は少し熱めのシャワーで首筋をゆっくり温めてあげるのがおすすめです。
首にはたくさんの血管や神経が通っていますので、首筋を温めることで体温を上げる効果が期待できます。
可能であれば、シャワーヘッドを固定して首筋を軽く揉みながら温めるといいでしょう。
以上、不安の対処法でした。
こうして見てみると特別なことは何もなく、日々の生活リズムを整えることが大切ということが分かりますね!
【まとめ】
いかがでしたか?
不安の正体を知って、「そんな単純なことだったのか!」と思った人もいるかもしれません。
人間は良くも悪くも想像力が備わっています。
良いことを想像する、いわゆる「イメージトレーニング」と言われるものは、集中力を高め、パフォーマンスや戦術の向上に効果があると言われています。
しかし、悪いことを想像してしまうと負のスパイラルにはまりかねません。
想像してしまうのは仕方のないことですが、ふと不安が湧き起こってしまった時には、これは妄想だと理解し、まずは今に集中し、今できることを考えて行動しましょう。
それでも不安が拭えない時には日々の生活リズムを整えることを心がけてくださいね!
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