ミステリ小説は大好きなのですが、人が何人も犠牲になるようなドロッとしたサスペンス・ミステリが好みでした。
今回は、本屋さんで「恋愛ミステリー」と紹介されていて、表紙のイラストも美しく…
手に取って読んでみたらこれはすごい!!!!
婚活したことがある女性、特に私のように自分を責めたり、人と比べる事で落ち込んだり…
「結婚」することで自分が認めてもらえると考えてしまっていた女性にはおすすめの小説です。
あらすじ
婚約者・坂庭真美が忽然と姿を消した。
朝日新聞出版:「傲慢と善良」裏表紙
その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる―――。
彼女はなぜ姿を消したのか。
主人公の真美と架のそれぞれの思いや、周囲の人の思いが交錯し展開されていくお話でした。
感想【ネタバレあり】
ネタバレを含んでしまうので、まだ読んでいない方は避けて下さいね(*^-^*)
↓↓↓
真美がストーカーに遭い、恐怖から恋人の架に助けを求めて連絡する場面から始まる。
そのことがきっかけで二人は婚約することになるのだが…
本当に年齢も、婚活の現状も、体験したことある!!と共感する方が多いのではないでしょうか。
主人公の年齢が、男性39歳、女性35歳というのもなんとも絶妙ですね。
そしてお互いに初婚。マッチングアプリで知り合い、2年交際するもなかなか結婚に踏み込めない男性。
男性がなぜ結婚に踏み切れないかというと、元カノが120点だったから。
「自分は元カノと結婚すべきだった」「自分の結婚相手は元カノ」
と決めちゃっているから前に進めないんですよね。全然吹っ切れてないの。
でも、真面目に結婚について考えてマッチングアプリで出会いを重ねて、ついに真美ちゃんと出会うのですが…
元カノとは何もかも違うんですよね。刺激がない。
そういうものだとわかっていても、「元カノと結婚できた自分」が居るから、過去の自分を諦められない…
もう胸が苦しくなります。
男性の方、架くんは「陽キャ」で生きてきた人で、たぶん結構イケメン。
周りの女友達が度々、口をはさんでくるんだけど、本当にゲスい!!!!!
人としてどうなの!!?という発言を架、真美に投げつける。
皆、自分の納得のいく生活が出来ていないんでしょう。
あざとかったり、世間知らずな真美を攻撃する場面はぞっとします。
人の為といいながら、長年フリーだったイケメンの友達が、「自分たちより格下」に見える女性と結婚するのが面白くないのでしょう。
きっと、「旦那が居ても君が好きだ」とか言って欲しかったのかもしれません。
真美の過去の婚活ターンが胸に来る
特に、婚活で「ピンとこない」で断ってしまう状況よくありますよね…
それについても見解があって、なるほどなーと思える内容です。
真美が失踪したことによって、架がその行方を捜す上で地元でやっていた婚活相手だったり、
地元の友人らを訪ねていくのですが、真美にイライラしてしまう人も居るかもしれません。
「善良」だけど「傲慢」な部分で人をジャッジしてしまう。
「なんであの人を好きになれないんだろう」
「あの人を好きになれる私になりたかった」
過去に婚活で知り合った男性が家庭を築いている姿を見て、上記のような心情を吐露する場面があるのですが、
ほんと、そうなんだよなーと思いつつ、超傲慢だと感じました。
ファッションが少しダサいからいやだ、
コミュ力がないから嫌だ…本当に少しのことで切り捨てて行ってしまう。
「私にふさわしい人を選ぶ」
という上から目線のスタートではうまくいくはずありませんよね。
でも、嫌な事が目についたら、もう終わりになってしまうのも婚活…
真美の親は所謂、毒親というやつなのですが、毒親育ちの弊害は他者と「新しい自分の家庭を持つ」ということにとっても悪影響ですね。
いつも「親」が一番で、「親」の願いを叶えてあげたいから「結婚」する。
自立する所、自分にもできると認めさせたいから「結婚」する。
私もこんな考えだったのですが…これでは相手が入る余地ありませんよね…
真美にとって架くんは、何もかも「格上」で「親に自慢できる」人だったに違いありません。
それは「好き」で間違いなのですが、アクセサリー感覚な所も否めないですよね。
恋愛経験もないからどう仲を深めていくのかもわからず不安になる。
書きなぐっていますが、真美の行動も気持ちも理解出来て苦しくなりました。
あの婚活で知り合った人とのデート、この先ずっとこのままじゃないのかという恐怖…
二度と繰り返したくない、「この人で決めちゃいたい」みたいな感情。
出口の見えない婚活時代の思い出が色々めぐって、辛い気持ちになりましたが、
客観的にみると、こんな風だったなーと勉強になりました。
もし、婚活で悩み、苦しんでいる方は、現実を受け止めるのはつらいけれど、
乗り越えた先にしか自分の手に入れたいものはない!!!と実感できるので、是非読んでみて下さいね☺
最後は……ハッピーエンドだと思っています。
コメント